賃貸必携ガイドブック
災害が発生したとき、避難方法が確立されているかどうかは、大きく明暗を分けます。避難時の判断が人によって違っていれば、別々の場所に勝手なタイミングで移動し、混乱を招きます。しかし、避難経路や避難場所が指定されている地域で、住民にそれが周知されていれば、迅速な避難活動が行え、被害を最小限に抑えることができます。
そのためには、防災器材格納庫の設置場所や防災器材の取扱方法などを、あらかじめ地域全体で把握しておくことが大切です。積極的に総合防災訓練などに参加し、防災器材の取扱方法など万一の場合に備えておきましょう。
行政では、全自主防災会に防災器材格納庫を設置し、その中に防災器材を配備しています。防災器材には、各自主防災会に一律に配備したジャッキ、バール、担架などの器材に加えて、自主防災会が地域実情などを考慮して選んだ器材(ボルトクリッパー、つるはし、組立式水槽など)があります。また、地域の実情に応じて、独自に器材の配備を行っている自主防災会・自主防災部もあります。
被害の発生および拡大を防止するためには、前述の防災知識の普及を図るとともに、自分たちの住んでいる地域が、災害に対してどのような弱点があるのか、具体的に把握しておくことも重要です。そのためには、自分たちの町を実際に調べて、地震・風水害・大規模火災などの発生を想定し、被災したらどのような状況になるかを予測しておく必要があります。災害による被害や地域の特性を把握できたら、危険箇所などの弱点とともに、防災施設や防災資源などの項目をまとめた「防災マップ」を確認しておくと災害発生時にたいへん有効です。
日本火災学会の調査によると、阪神・淡路大震災により生き埋めや建物に閉じ込められた人のうち、生存して救出された約95%は、家族や隣人によるものであったとの結果が出ていることから、自主防災活動の重要性が分かります。下記をご確認いただき、万一に備えておいてください。
普通救命講習は、応急手当の基礎知識と実技などを学ぶもので京都市市民防災センターで受講することができます。申し込みは、市内の消防署、消防分署の警防課救急係までお問い合わせください。